2018/09/23

昔の人は紅葉を恐れていた?

京都の長い夏が終わり、紅葉の時期がもう少しでやってきます。
今でこそメジャーな紅葉狩りですが、人々が紅葉狩りを楽しみだしたのは室町時代(1336年 – 1573)からではないかと言われています。
平安時代(794年-1185年)にはあまり人々に親しまれていなかったようです。
現代では紅葉狩りと言えば華やかなイメージですが、平安時代は厳しい冬がもうすぐ来ると言う負のイメージとしてとらえられていました。
更にこの時代に落葉樹は身近には無く、紅葉を楽しむためには山奥に出かけなければならず、気軽に楽しめなかったのも理由の一つでしょう。
IMG_6241【詩仙堂】

紅葉の赤は物さみしさを象徴すると言われ、山奥で深紅に染まる様は、昔の人々を少し不安にさせてしまうほどの存在だったようです。
時代によってかなり捉え方が変わりますね。
IMG_3223【東福寺】

ついでに前々から気になっていたことを調べてみました。
なぜ桜や月は花見、月見と「見る」なのに紅葉を見るのは紅葉「狩り」なのか?
と言う素朴な疑問を調べてみました。
一番有力な考えは、山奥に紅葉を探し求めるさまを、獲物を追う「狩猟」になぞらえて「狩り」と付けたという説が有力です。
ですがこれだけでは面白くない。と色々調べていくと、昔の人が紅葉を恐れていたことと繋がりがある面白い話を一つ見つけました。

歌舞伎の演目に「紅葉狩」というものがあります。
その内容はというと…
minamiza01【京都四條南座】

二人の男がある日紅葉狩りに出かけました。
出かけた先にはすでに先客がいたのであきらめて帰ろうとする二人。
しかし先客から一緒に飲もうというお誘いが。
よく見るとこの人たちめちゃくちゃ美人!断っては男がすたると、飲むは踊るはの大盛り上がり。
そのうち二人は酔いつぶれて寝てしまいましたとさ。

夜になり目が覚め、もう一度美女に会いたいと山奥へ探しに行く二人。
そこで見つけた女の正体は…
なんとも恐ろしい形相をした人を食う鬼女でしたとさ。
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この話には3つの教訓があります。
1、優しい美女には気をつけろ
2、お酒はほどほどに
3、紅葉は狩っても命は狩られるな

こんな怖い話もロマンがあっていいじゃないですか。笑

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